そもそも偏差値って?小学生の平均はどれくらい?
まずは偏差値について正しい認識をおさらいしておきましょう。
偏差値とは、テストを受けた集団の中で自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値です。
平均点を50とし、そこから高いか低いかで、相対的に自分の実力を把握することができます。
計算式は以下。
偏差値=(得点−平均値)×10/標準偏差+50
※数学に強い人は自分で計算することもできますが、ほとんどの人は知る必要はありません。
以下の感覚だけ押さえておきましょう!
★平均点で偏差値50
★偏差値55(45)でだいたい上位(下位)30%
★偏差値60(40)でだいたい上位(下位)16%
もっと言うと塾では、
超TOPクラス・・・偏差値65以上
TOPクラス・・・・偏差値60以上
上位クラス・・・・偏差値55以上
普通クラス・・・・偏差値45~55
くらいの目安で設定している所が多いですね。
(※もちろんテストの母集団によっても変わります。)
まずは勢いをつけて55を突破、そして主体的かつ効率的な学習で60以上に安定させていくのが王道と言えるでしょう。
小学生全国テストの偏差値の見方
小学生全国テストの偏差値の見方について考えてみましょう。
ここでは1~2年生と3~4年生、そして5~6年生の3段階に分けてお話しします。
①1~2年生
低学年はずばり「テストの慣れ度&センス」が分かります。
小学校で受ける計算テストや漢字テストとは異なり、図表や問題文など形式の違いに戸惑うお子さんがほとんどです。
保護者の方も「テスト慣れ」を期待しての受験が多いでしょう。
解答方法や時間配分など、慣れれば慣れるほど一定の点数は取れるようになります。
低学年のうちは余り結果は気にせず、一緒に「テストに慣れていこう」というスタンスでいいと思います。
とはいえセンスも垣間見えます。計算のセンスや読解力のセンスです。
「おっ!初めて見たであろうこの問題解けるんだ!」とか
「この長い問題文の意味をしっかり理解できたんだ!」とか。
元塾の先生が「センス」という言葉を安易に使ってはいけないのかもしれませんが、最近の研究では学力の60%程度が遺伝に依る、とも言われます。
トレーニング量が十分でない低学年こそセンスが如実に現れるのかもしれません。
【結論】
あまり偏差値を気にする必要なし!
しかしテスト慣れしていないのに高偏差値が出るようならセンスあり!?
②3~4年生
次に中学年。この学年になると何度かテストは受けていますので「慣れ」ではなく実力が偏差値に現れてきます。
持って生まれたセンスに、小学校入学前後から取り組んできた学習の成果、ですね。
「入学前後から準備していない」という方もいらっしゃると思います。
正直、首都圏を筆頭とした都市部と地方ではかなり意識が違います。
小学校受験や中学受験が身近な首都圏では、小学校入学前後から様々な可能性を見据えた準備が始まっているのに対し、 地方は高校受験一択のようなところも少なくないため、すでに3年生辺りから差が出始めてしまうのです。
なので偏差値についても割り切って捉えてください。
首都圏など中学受験率が10~30%のエリアでは偏差値の真ん中が55。
私国立中学がほとんどないエリアでは偏差値の真ん中が45。
都市部と地方では小学校3~4年生の偏差値が10くらい差があります(後述の5~6年生ではもっと違います)。
実際にテストを受験してみると、多くの全国テストでは
・全国順位
・都道府県別順位
が別々に出ると思います。このふたつを見比べれば上記の意味が分かるはずです。
【結論】
中学受験率の高い都市部に住んでいる子は偏差値55を真ん中に考えよう!
高校受験を考えているご家庭なら偏差値45が取れていれば落ち込む必要なし!
③5~6年生
最後は高学年。中学年以上に明暗がハッキリするテスト結果になります。
というのも応用問題はほぼ私立中学の入試問題。
つまり、中学受験のトレーニングをしている子としていない子でまったく点数が変わってしまうのです。
一方で、中学受験の問題にしては易しすぎるところもあります。なので、 難関校を受験するようなTOPクラスの子は、全国テストは受験しないのが普通です。 (このあたりは通っている塾や教室の方針などもあります)。
受験してくるライバルは下位から中堅の私立中学や国公立の中高一貫校を狙う生徒。
彼らは「自信をつけるため」に受験してきて、ガンガン高得点を取ります。
よって出てくる偏差値については以下のように考えてください。
首都圏など中学受験率が高めのエリアでは真ん中が57。
私国立中学がほとんどないエリアでは真ん中が43。
これくらいの差が生まれます。
特に地方にお住まいの方は全国順位に肩を落とさず、都道府県別順位に注目しましょう
【結論】
中学受験率の高い都市部に住んでいる子は偏差値57を真ん中に考えよう!
高校受験を考えているご家庭なら偏差値43が取れていれば落ち込む必要なし!
教科ごとの捉え方と対策
さらに教科別で偏差値の意味や見方を考えていきます。
①算数
小学校のテストではなかなか掴むことのできない「お子さまのセンス」が分かります。
全教科の中で一番注目すべき教科と言えます。
まずは計算力についてみていきましょう。基礎的な計算がしっかりできているか、は特に高学年ほど重要視します。
もし、取りこぼしや根本理解に欠けている可能性があれば、すぐに計算ドリルや100マス計算などで対処すべきです。
次に応用。応用は文章題と図形に分けて見ていきます。
文章題で点が取れていない子は「慣れ不足」か「国語力不足」の可能性があります。
一緒にやり直しして、どちらなのか見極めていきましょう。
もし国語力不足であれば、読書量を増やしながら要約(1分で内容を親に伝える)など家庭でも出来るトレーニングを取り入れてみてください。
そして図形。これは出来不出来が極端に分かれます。
しかし低学年・中学年ならば努力でいくぶんかカバーできる可能性があります。
4の「今からできる偏差値の土台作り」を読んでみてください。
②国語
国語については基本「語彙力」勝負となります。
ここである全国テストの出題例から1問抜粋してみます。
(6年生・出題例)
次のカッコにあてはまる選択肢をそれぞれ選びなさい。
(1)ランチタイムだったが、いい( )に四人席が空いていた
(2)長年に及ぶ( )がとれて両者は和解した
(3)ふたりがけんかするにいたった( )を先生に話した
(4)故郷の小さい村の人間関係の( )を断つために上京した
(5)事件が解決に向かう( )がようやく見えてきた
①きざし ②しこり ③しのぎ ④しがらみ ⑤いきさつ ⑥あんばい
いかがでしょうか?普通に小学校に通って国語の時間を頑張っていただけでは到底解けないのがお分かりいただけると思います。
この傾向は長文読解にも現れます。
中学受験など、初見の文章を読むトレーニングを積んでいたり、本の虫であればサクサク解けますが、普通の子には難しいのです。
よって、偏差値よりもテストを一緒に振り返り、どこまで意味や内容がとれていたか、をチェックしてあげましょう。 そして出来ていないところよりも出来ているところを褒めてあげましょう。
③理社(4~6年)
4年生以降になると理科や社会も受験できるようになります。
迷ったらぜひ、おそれずに受験してみてください。
ただし、算数や国語以上に、非受験生は偏差値を気にしないようにしましょう。
こちらも教科書内容以上がたくさん出てきます。
見るべきポイントは以下。
まずは、得意な分野と苦手な分野の見極めです。お子さまが得意な分野や興味がある分野をどんどん伸ばしていきましょう! これからは「全教科満遍なくできる」より「圧倒的に強い教科・分野がある」方が勝つ時代です。
次に実験や資料の読み取りのトレーニングの指針です。小学校のテストでは見られない問題を一緒に振り返り、 どんな家庭学習をすれば解けるようになるか、親子で考えてみましょう。
最後に、中学受験組(将来の大学入試でのライバル)はこんな問題も解けるんだ!という認識共有です。
お子さまは平気な顔をしてても、結構傷ついたり自信を無くしたりしているものです。
「中学受験しようとしている子がたくさん点を取って、上位の順位や偏差値を取っちゃうんだって! 〇〇は高校受験や大学受験で巻き返せばいいんだから気にする必要ないよ!でも、中学受験する子たちがどんな問題解いてるのかは知っておこ!」
などと励ましながら、一緒にやり直しをやるといいでしょう。
今からできる偏差値の土台作り
では偏差値の土台作りについて考えてみましょう。
まずは偏差値を高位安定させるためには、何といっても基本問題で落とさないこと、です。
算数なら計算問題。国語なら漢字や語彙。
テストで言えば前半の1⃣や2⃣あたりで出てくる問題ですね。
ここで点数を落としているようでは偏差値60は難しくなります。
パパママの工夫で、日常からできる偏差値の土台作りは以下。
- ・小さな報酬を用意
- ・車のナンバープレート遊び
- ・漢字検定をベンチマークに
- ・読書と要約の習慣化
- ・日ごろから時間管理をできるように
・小さな報酬を用意
算数は計算ドリルが基本。毎日楽しく続けられる工夫を取り入れてみてください。
「満点でシール。シール50枚たまったら〇〇」など、小さな報酬を用意しましょう。
・車のナンバープレート遊び
ドライブ中の前の車のナンバープレートでの計算遊び (例:全部使って10を作る…etc)などもいいです。楽しんで数の扱いに慣れていくのがポイントです。。
・漢字検定をベンチマークに
国語は漢字ドリルと読書が基本。こちらも毎日続けたいですね。
ドリルだけでは作業的になりがちな漢字は漢字検定で目標設定してみるといいです。
子どもだけでなく、パパやママも一緒になってやってみましょう。
・読書と要約の習慣化
読書はお子さまによってハマるパターンが違います。歴史や人物のマンガや自伝から入る子もいれば、 ファンタジー小説から入る子もいますし、小学生新聞が好きな子もいます。
興味のある分野やジャンルの本から入っていくといいでしょう。 また、読んだ後は必ず要約させてください。続けることで表現力がかなり変わってきます。
・日ごろから時間管理をできるように
テストで偏差値を上手に出すためには時間管理も重要です。
指導経験から言えば、時間管理を上手にするだけで10~20点多くとれる子がかなりの割合でいるのです。
特に算数は、難しい問題で止まってしまうと、最後まで問題を解ききれません。
★分からなさそうだったらいったんパスして、次の問題。
★最後の問題を終えて10分残っているのが理想。難問に再挑戦できる。
★必ず最後の3~5分はやり直し&検算にあてる
これだけで点数(偏差値)が驚くほど変わります。
日ごろから時間を意識し、上手に時間管理できるようにしましょう。
実は偏差値よりも大切なこと
今回は全国テストの分析や振返りについて考えてきました。
しかしパパやママの時代とは違って、偏差値の重要度は確実に下がっています。
偏差値はテストという土俵での相対位置(認知的能力)を見極めるには優れた指標です。
しかし、「ガリ勉して良い大学、良い会社に行く」時代はとっくに終わっています。
これを知らないと、新しい時代についていくことが難しくなっていきます。
AI化が進むこの時代、必要とされるのは頭に詰め込んだ知識をペーパーテストで発揮する能力ではなく、 AIから取り出した情報の真偽を確かめながら編集し、仲間と協働しながら新たな価値を創出する能力、 いわゆる未来型スキル。
教科書に書いてあることの暗記が出来て偏差値が高かった子と、 コミュニケーション力が高くAIを駆使しながら新たな価値を創出する能力が高い子と、 20年後にどちらが活躍できそうか想像がつくかと思います。
主体性や協調性、探究心や共感力、そしてコミュニケーション力や課題解決力など、 テストでは測れない、いわゆる非認知能力の方がこれからの時代は重要だと言われています。
私がプロデュースしたDreamDrivenは、小学生向けのキャリア教育オンラインスクールです。 100のシゴトと未来を学びながら、ペーパーテストでは測れない非認知能力までも育てていきます。
夢を見つけることは結果的に学習のモチベーションアップにも繋がります。
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