キャリア教育って?
キャリア教育とは・・・子ども・若者がキャリアを形成していくために必要な能力や態度の育成を目標とする教育的働きかけ、のことです。
また、文部科学省は、「一人一人の発達というものを、自己と働くことを結びつけながら歩ん でいく人生行路であるとみなし、それを支援するのがキャリア教育」とも表現しています。
もっと簡単に言うと『なりたい自分探し&なる方法を考える』教育です。
学力向上にも効果があるって本当?
いま海外でキャリア教育が注目されています。
背景にはAIの急激な進化により職業選択が見直されていること。
そして、もうひとつ。
『キャリア教育が子どもの学力を向上させる』からです。
なぜ、仕事や生き方を学ぶと学力が伸びるのか?
詳しく説明します。
目次
キャリア教育とは・・・子ども・若者がキャリアを形成していくために必要な能力や態度の育成を目標とする教育的働きかけ、のことです。
また、文部科学省は、「一人一人の発達というものを、自己と働くことを結びつけながら歩ん でいく人生行路であるとみなし、それを支援するのがキャリア教育」とも表現しています。
もっと簡単に言うと『なりたい自分探し&なる方法を考える』教育です。
「あれ?キャリア教育って、単にお仕事の中身を学ぶことじゃないの?」
実は、日本はキャリア教育の理解や実践が大変遅れています。
親世代はせいぜい学校で、
・社会見学で職業体験に行く(八百屋さんや魚屋さん・・・etc)
・親や親せきに対してのお仕事インタビュー
くらいしか体験していないからです。
文部科学省は、小学校でのキャリア教育に4つのポイントを示しています。
・自己および他者への積極的関心の形成・発展
・身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上
・夢や希望、憧れる自己イメージの獲得
・勤労を重んじ、目標に向かって努力する態度の形成
親世代が体験した職場見学などの職業教育は、あくまでキャリア教育の一部に過ぎず、自己実現を果たすためのあらゆる能力(課題発見力・課題解決力・コミュ力など)の育成、そして、働くこと、学び続けることへの前向きな意欲の獲得こそ、いま海外で進化しつつある新キャリア教育なのです。
「でも・・・小学校でここまで出来てるの?」
このギャップには明確な理由が存在します。
実は、文部科学省は2020年をキャリア教育改革元年とし、一気にキャリア教育の推進を図る予定でした。
しかしご存知の通り、2020年と言えば新型コロナが猛威を振るい始めた年。
全国一斉休校などもあり、それどころではありませんでした。
その間に、オンライン授業や学習タブレットの普及など、デジタル活用の世界からの遅れに注目が集まり、その遅れ解消が優先されました。
つまり、キャリア教育は後回しにされてしまっている現状です。
また、新型コロナを機に、世界ではAIが目覚ましい進化を遂げました。
特にchatGPTの登場はインパクトが大きく、第四次産業革命の到来として、多くの仕事がAIに代替されようとしています。
こうした急激な社会変容もあり、新しい時代のキャリア教育がどうあるべきか、難しくなってきているのも事実です。
では、海外ではどうなのでしょう?
キャリア教育先進国と言われるアメリカや、陸続きの移民文化の中でシチズンシップ教育という素地があったヨーロッパでは、新型コロナ前から、日本の文部科学省が目指そうとしていたキャリア教育がしっかりと実践されています。
いくつか挙げてみます。
●キャリアデイ(アメリカ)
アメリカの小中学校で開かれるキャリア教育イベントです。公務員や医者や弁護士やゲームクリエイターなど、実際に社会で活躍する様々な職業の大人がゲスト。プレゼンを聞いたり模擬面接をしたり、と内容は学校や自治体により様々です。子どもたちは事前に、その職業について調べ、質問や履歴書や志望理由書を用意して臨みます。アメリカには高校入試がないため、小中学校の間にじっくりと自分の将来と向き合うのです。
●ミーアンドマイシティ(フィンランド)
ミニチュア都市の中で過ごす1日。フィンランドの6年生の75%が体験すると言われます。参加生徒は事前に、学校で約10回の協働学習を行い、準備をします。やってみたい仕事とその理由。教師や仲間と何度も話し合いを重ねることで、自分の仕事観や人生観を作り上げていきます。当日は給料を得て、納税まですることで、社会の成り立ちやお金を稼ぐことの難しさを体感します。
●10歳で進路が決まる?(ドイツ)
ドイツは、進路決定がとても早いです。基本的には(実際はもう少し複雑ですが)日本の小学4年生にあたる10歳で小学校を終え、大学へ進学するか、職人の道を歩むかの選択を強いられるのです。よって、キャリア教育も盛んです。10歳までに一定期間のインターンシップをしたり、プロジェクトベースドラーニング(課題解決型学習)で問題解決力やコミュニケーション力を育てています。
方法は違えど、どの国も、年々キャリア教育に注目し、新しい学びに力を入れ始めています。
理由は明確です。
キャリア教育が国力、つまりは経済力を高める、と考えられているからです。
これからはAIが知識や情報の集積を担ってくれます。
では、人間は果たして何をすべきか。
その答えを探すのが、新キャリア教育のひとつの目的になりつつあります。
世界は着々と第四次産業革命への対応を、キャリア教育への注力、というカタチで始めているのです。
もうひとつ、キャリア教育の大きな特長と言われるのが「学力向上」です。
英数国理社、直接的な教科教育の時間を削って行うべきキャリア教育で学力が上がるとは一体どういうことなのでしょう?
メカニズムはいたってシンプルです。
①キャリア教育を受ける
②自分のやりたいこと、なりたい姿が明確になる
③それは目標へと変わり、やる気がわいてくる
④勉強やスポーツに力が入る
アメリカでは、キャリア教育の目的を二つ掲げています。
それが「コミュニティを支える人材の育成」と「学力向上」。
データやエビデンスを重要視するアメリカが、明文化するほど、キャリア教育の学力向上効果は大きいと言えます。
日本でも、国立教育政策研究所が以下のデータを発表しています。
<教師が感じる学習意欲向上率>
・キャリア教育の充実度が低い中学校 ・・・ 24.3%
・キャリア教育の充実度が高い中学校 ・・・ 48.7%
子どもたちの学習意欲に、実に2倍の差が生じています。
学習意欲はそのまま学力(≒成績)に直結します。
つまり、学力や成績を上げたいのなら、教科教育だけではなく、キャリア教育を織り交ぜる必要があるのです。
日本の教育政策はアメリカ型と言われます。
ドイツやスイスのように10歳前後から職人の道!というような極端なスタイルではなく、まずは高校卒業、大学卒業をメインルートとしてじっくり進路やキャリアと向き合おう、というもの。
しかし日本の場合は、アメリカと比べるとより知識重視&学歴偏重になっています。
これは日本が高度経済成長期の成功体験に引きずられているから、と言えます。
全教科でしっかりと成績を上げられる勤勉さ、こそが生徒に求められる能力であり、結果、いい高校、いい大学、と進学できればある程度の社会的地位や収入が保証された時代の名残です。
もちろん、そんな時代はとっくに終わっており、ゼネラリスト(広く浅く)ではなく、AIにも負けないスペシャリスト(狭く深く)が求められてきています。
こうした経済界からの要望もあり、大学入試も変わりつつあります。
例えば、新大学入試では、共通テストで基礎学力+表現力や思考力や判断力を測ります。
そして、スペシャリストに必要な、専門性や深く学ぶ意欲を、面接や小論文、大学によっては志望理由書やプレゼンやディベートを追加して見極めていくのです。
これはキャリア教育の一番得意とする領域です。
様々な仕事を知り、自分がどんな働き方をしたいか、どんな世界で活躍したいか、とじっくり向き合ってきたからこそ、突き抜けた自分だけの答えやSTORYが準備できるのです。
新大学入試にも有利に働く、それが新キャリア教育です。
キャリア教育とは、「なりたい自分探し&なる方法を考える」教育。
AIの急激な発達で、人間の役割が問われるなか、世界が注目&注力しています。
日本は世界に比べ、キャリア教育が大変遅れています。
キャリア教育は、「学習意欲向上」にも直結する効果の高い教育。
小中学校に任せておかずに、積極的に取り入れる姿勢が必要です。
違います。キャリア教育とは、子ども一人ひとりの生きる力を引き出す教育です。
働くとは、自分にとっての幸せとは、を考えながら、社会に出るための準備全てがキャリア教育です。職業理解はその一部に過ぎません。
AIが知識や情報の集積を担うこれからの時代において、人間の役割が再定義されつつあるからです。
AIと共存できるスペシャリストになるため、専門性や創造性を高める必要があると言われています。
上がります。キャリア教育を受けることで、将来のなりたい姿(長期目標)が明確になり、学習意欲が向上します。
学習意欲が向上することで、学力(≒成績)も上がっていくのです。
残念ながら日本のキャリア教育はかなり遅れています。
世界の同年代の子たちが受けているキャリア教育を担保しようとするのなら、積極的に学校外の教室やイベントに参加する必要があります。 「2年間で100のシゴトと未来が学べるDreamDriven」をおススメします。