やる気の仕組みとは
そもそもやる気はどこから来るのでしょう?
パパママに知っておいて欲しいのは、2種類を上手に使い分けることです。
それが内発的動機付けと外発的動機付け。
心の内側と外側、両方からやる気は出てくる!とイメージしてみるとわかりやすいですね。
それぞれはこんな性質を持っています。
<内発的動機付け>
好奇心や興味・関心など、子ども自身の内側から湧き出てくるモチベーション。
「もっと知りたい」や「もっと出来るようになりたい」など、学ぶことが面白い、楽しいと感じることで引き出せる動機付けです。
爆発的なパワーはありませんが、長続きするのが特徴です。
<外発的動機付け>
行為そのものではなく、外部からもたらされるものに対して湧くモチベーション。
分かりやすく言うと「ご褒美」です。「〇〇点取ったら家族で焼肉!」とか「何分でできたらおもちゃを買ってもらえる」という動機付けです。
時に爆発的なパワーが出ますが、長続きしないのが特徴です。
こうしてみると「内発的動機付け」の方が勝っているように思えます。
しかし、外発的動機付けがきっかけで内発的動機付けを引き出せることもあり、必ずしもご褒美などがよくない、というわけではありません。
BBQのときの火起こしで例えるなら、外発的動機付けは「着火バーナー」のようなもの。なかなか火がつかない木炭(内発的動機付け)でも、着火バーナー(外発的動機付け)で少しの間炙ってあげることで、火がつき、風を送ることで、やがてメラメラと火が広がっていくのです。
お子さまのやる気(学習意欲)という木炭に上手に火をつけてあげられるか、はまさしく家族の声かけや接し方にかかっているのです。
子どものやる気がUPする声かけ4選
それでは子ども(小学生)のやる気がUPする声かけを4つ見ていきましょう。
- ①ポジティブに信じる
- ②結果ではなく過程に注目
- ③褒める時はIで
- ④子どもの話を聞く
①ポジティブに信じる
・ぜんぜん大丈夫!
・〇〇ならきっとできるよ!
・ママ信じてたよ!
まずは子どもを信じる言葉。
塾講師をやっていて、成績優秀な子どもの親に共通するのは「子どもへの信頼感」です。
何があってもうちの子は大丈夫。そう、ドンと親が構えることで、子どもは心理的に安心し、様々なことに打ち込めるようになります。 とはいえ「ママ、信じてるからね!」は違います。これは「裏切らないよう圧をかけている」だけで、子どもは敏感に察知します。出来た時の「信じてたよ」は効果的ですが、やる前の「信じてるよ」は多用するのはNGなので気をつけましょう。
②結果ではなく過程に注目
・ココが出来るようになったね!
・頑張ってたもんね!
・めっちゃ成長してるじゃん!
次は子どものどこに注目するか。
学年が上がるにつれ、テストも増えていきます。どうしてもテストの点数に目が行きがちですが、出来るパパママは「過程」や「成長したところ」に着目します。
そして具体的に承認していくのです。「前回できなかった計算が出来るようになった」のを「毎日ドリルで頑張っていたから」と努力とくっつけて褒めるのです。
アメリカの最新の研究でも「成功思考」より「成長思考」の方が、やる気やGRITなど、子どもの非認知能力が高まる、といった研究結果も出ています。
GRIT(グリット)とは?近年、注目されているやり抜く力「非認知能力」 | コエテコ (coeteco.jp)
③褒める時はIで
・ママ嬉しいな!
・パパ本当に感動した!
・おじいちゃんもすっごく喜んでたよ!
そして、褒め。
日本人は褒めるのが下手です。これは親子間であっても同じ。
塾講師時代も、保護者の方から「褒め方が分からない」といった相談を受けました。
そんな時、テクニックとして伝えていたのがこれです。「I(自分が主語)で褒める」。
「すごい!」「さすが!」と褒められても子どもは特に大して嬉しくないものです。
無理に大げさに褒めようとせず、パパママの気持ちを素直に伝えましょう。「ママは嬉しい」「パパは感動した」。これらの言葉の方が子どもは嬉しいもの。時折、伝聞で「おじいちゃんも電話で喜んでたよ」なんてのも効果的です。
④子どもの話を聞く
・うんうん
・へぇ!それで?
・めっちゃいいじゃん!
子どもを承認したり、褒めたりするのに躍起になって、意外と忘れがちなのがこれ。
子どもの話を聞く、です。何かに興味や関心を持った時、宿題のプリントが難しくて聞いてきたとき、テストが返ってきたとき。まずは、ちゃんと子どもの話を聞きましょう。
パパママも忙しいとは思いますが、一番やる気が引き出せるチャンスはここです。手を止めて、子どもの目を見て、大きく相づちをを打ちながら。
子どもにとって「ちゃんと話を聞いてくれる」に勝るものはありません。
最後に、中学受験を戦った子どもが、「パパママから言われて頑張れた言葉」1位を紹介します。
それは
「大好きだよ」。
上記の褒めや承認などを意識して取り組むのも大事ですが、もっと大切なのは愛情表現だということに気付かされます。
毎日でもいいです。「大好きだよ」とともにぎゅっと抱きしめてあげてください。
子どもの自己肯定感とやる気は密接に相関するのです。
子どもがやる気をなくす声かけ3選
一方で、気をつけたい子ども(小学生)がやる気をなくす声かけはこちら。
①強制する
・宿題やりなさい!
・早く勉強しなさい
人は強制されるとやる気を失います。
これを心理的リアクタンスといいます。
勉強を強制すればするほど、勉強嫌いになります。よく覚えておきましょう。
②比べる
・お兄ちゃんの時は・・・
・隣の〇〇ちゃんをみてみなさい!
これは良かれと思って言っているパパママは少ないと思います。
口から出た瞬間に「・・・あっ!」という感じですよね。
大人でも比較されれば嫌なもの。子どもはなおさらです。
③決めつける
・どうせ出来ないんだから!
・頑張ってもムリ!
親から可能性を否定された瞬間、子どもは出来なくなると思ってください。
そればかりか、愛されるはずの人から「できない」と決めつけられた子どもの心は、大人が思っている以上に傷ついているものです。絶対にやめてください。
長期的にはコレしかない本質的な解決方法
最後に、子ども(小学生)のやる気を引き出す本質的な解決方法をおススメします。
それは『長期目標を共有すること』です。
たとえば、いまお子さまから、
「なんのために勉強って頑張らなきゃいけないの?」
と聞かれてどう答えますか?
純粋に学ぶのが楽しい、新しいことを吸収するって楽しい。
もちろんそう言えるのがベストですが、それだけでは多くの人間は頑張り切れないものだと思っています。
そんな時に、子どもの特性や人生観も含めて、「長期目標」つまり「夢」を共有できていれば、ちがう側面から答えてあげることができます。
では、『長期目標』を親子で共有するために出来ることとは。
それが【キャリア教育】です。
世界では盛んなキャリア教育ですが、日本ではあまり根付いていません。
「勉強して、いい中学、いい高校、いい大学、そしていい就職」。
偏差値や学歴を積み上げることで、幸せが手に入った時代はとっくに終わっているのに、まだまだ従前の感覚から抜け出せないでいるのです(特に親世代が)。
これからは積み上げではなく逆算で幸せになる時代です。
なりたい姿や夢のために、逆算して、今何をすべきかを考える。
早期から、こうした経験を重ねることでAIに負けない専門性やクリエイティビティも身についていくのです。
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