では「学習時間」ではなく「目的意識」に着目しながら、家庭学習のポイントを押えていきましょう。
①家庭学習はいつやるべき?
最終的には本人の主体性に任せる、という答えにはなりますが、低学年くらいからの習慣化、という意味で言えば「朝」一択です。
朝早く起きて、勉強に取り組むことで、脳が活性化され、学校の授業の理解度も高まります。予習効果も抜群で、中学生になってからも内申を上げる効果も期待できます。
そもそも家庭学習は成績向上のために行うもの、ですから成績を上げる効率の高い朝学習に勝るものはないのです。
一方、「宿題だけは学校から帰ってきてすぐにやらせないと気持ち悪い・・・」という保護者の方もいるでしょう。でも、これは保護者の気持ち、です。
子どもの気持ちになってみれば、学校から帰ってきて、またすぐに「勉強しなさい」と言われるのは結構厳しいもの・・・。
保護者の方も、仕事から疲れて帰ってきてすぐに「残業片づけなさい」って言われたらため息が出そうになりませんか。
特に低中学年のあいだは、学校から帰ってきたら思いっきり遊ばせてあげましょう。
②家庭学習はどれくらいやるべき?
学年×15分、はあくまで目安。時間から決めるのは目的意識の観点からはNGです。
理想は《逆算思考でリスト化》です。
逆算思考というのは、長期目標⇒短期目標⇒今やるべきこと、というようにゴールから逆算していく考え方のこと
例えば・・・
GOAL
国境なき医師団に入って苦しんでいる人たちを助けたい
↓
医師免許プラス豊富な現場経験
↓
国立医学部への進学
↓
理科を得意教科にする
↓
まずは次のテスト100点
↓
学校の宿題以外にワークを毎日2ページ
このように、今やるべきことを逆算思考から主体的に考え実行に移せる子が最強です。
多くの子は「今日の家庭学習の余った時間、何しよっかな~?⇒理科のワークでもやるか」になっています。これでは成績は上がらないのです。
大事なのは時間をこなすことではなく目的意識。
よって、リスト化をお薦めします。
例)今日の家庭学習
・宿題(計算ドリル・音読)
・理科のワーク2ページ
・英語テキスト1ページ
前の日、寝る前にリスト化し、次の日起きて、消込しながら実行する。
ポイントは、寝る前のリスト化時点で親が褒めて認めてあげることです。
「自分でリスト作れてすごいね!」
「これだけ頑張ったら、たくさん成長できそうだね!」
さらに次の日、ちゃんと実行出来たら褒めてあげましょう。
「自分で決めたこと、ちゃんとできてかっこいいな!ママも嬉しいな!」
リストを消し込むことで子どもは達成感を得ていきます。一緒に喜んであげましょう。
高学年になればリストを作る期間を長くしていきましょう。
3日分、1週間分・・・のように。
そして毎朝30分~60分、朝学習の時間が習慣化されていく、これが理想です。
③家庭学習はどこでやるべき?
こちらは、まずデータで見ていきましょう。
小学生白書Web版 学研教育総合研究所|学研 (gakken.jp)
学研の調査によると、多くの子がリビングでスタートして、学年が上がるにつれ、少しずつ自分の部屋にうつっていくのが分かります。
私の結論としては「子どもが集中できるならどこでもいい」です。
・静かな場所で
・スマホやマンガなどが目に入らないように
なども言われますが、私の経験上、あまり関係がありません。
大家族の騒がしいリビングでも集中できる子もいますし、図書館など静かなところじゃないと集中できない子もいます。かなり個人差が大きいところです。(ちなみに私の同級生の学年トップレベルの秀才は、机の上に乗ってじゃないと集中できない人でした)
どんなに騒がしくても、目的意識が強ければ集中できるもの。
あまり気にする必要はないでしょう。
ただ、低学年の内は親が「見てくれていて、あとで頑張りをほめてくれる」のは大事な動機付けになります。ぜひ見てあげてください。